CASE STUDY

三井住友建設様 奥山田川橋作業所「アザスという共通のツールが、コミュニケ―ションにおける国籍・年齢の壁を取り払ってくれました」
2025.01.30
三井住友建設様 奥山田川橋作業所
~アザスという共通のツールが、コミュニケ―ションにおける国籍・年齢の壁を取り払ってくれました~
アザスをご導入いただいている三井住友建設様の現場を訪れ、アザス導入に至った経緯や実際の利用の様子、導入によって感じている効果などについてお伺いしました。
導入現場の概要
- ・ 導入時期:2023年11月~2025年12月(予定)
- ・ 現場:三井住友建設株式会社 奥山田川橋作業所
- ・ 工事内容:新名神高速道路 奥山田川橋・山城谷川橋の建設工事(滋賀県)
- ・ 規模(作業者数):約120名/日
目次
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- 1. アザス導入の経緯
- 2. アザスの活用方法
- 3. アザス導入の効果
- 4. 今後、アザスをどのように活用していきたいか
アザス導入の経緯
奥山田川橋作業所
星田 真一所長
アザス推進リーダーの塩釜 理沙さん
――アザスを導入いただいているのは、どのような現場ですか。
(星田)弊社がNEXCO西日本様から請負っている、新名神高速道路の「奥山田川橋」と「山城谷川橋」の2つの工事現場でアザスを導入しています。奥山田川橋は上り4径間・下り3径間のラーメン構造の橋で、最大支間は109m。山城谷川橋は急峻な形になっており、橋脚の高さは35mにも達します。契約時当初は上下線将来6車線、初期4車線で予定していたものでしたが、物流の効率化による生産性向上および災害時の代替性強化を鑑み、6車線化に変更となりました。設計が大幅に変わったことで様々な対応が必要でしたが、高速道路という公共インフラですので、作業員の安全を確保しながら、高品質なものづくりを常に意識しています。
――こちらの現場にアザスを導入した経緯について教えていただけますか。
(星田)施主のNEXCO西日本様は、日ごろから「風通しの良い現場を構築すること」の重要性を踏まえ、元請と協力業者とのコミュニケーション不足への問題意識を持っていらっしゃいました。そこで、弊社のほかの現場で導入しコミュニケーション向上に効果がみられていたアザスを使用して工事を行うことをご提案しました。アザスのようなツールを導入して工事を行っているのは当社だけだったため、創意工夫として好意的に受け止めていただけました。
アザスの活用方法
――現場ではどのようにアザスを活用されていますか。
(塩釜)安全活動を自発的におこなった作業員にアザスポイントを付与し、月間の獲得ポイントの上位者を、翌月の安全大会で表彰し賞品を渡しています。
- 〈安全活動の例〉
- ・ 指差呼称実施
- ・ 安全設備復旧
- ・ 三井住友建設「土木部門ルール」*1の順守
- ・ KYK(危険予知活動)時の効果的発言
- ・ 清掃活動
- ・ 模範的行動、その他良い活動
また、これは弊社職員限定ですが、良くない行動に対して【良くないね】ポイントを付与し合うということもしています。これは、現場監督、職長や作業員の世代交代が進み、建設現場が一気に若返っており、何が良くて、何が良くないかの経験が不足していることを補うためです。指摘されてネガティブになるのではなく、積極的に気づこうという意味合いで試みています 。
*1:重大・重篤災害防止のために現場で守る“9つの基本ルール”
現場にポスターを掲示しアザスの活用を周知
作業員へのポイント付与の様子
アザス導入の効果
――アザスの導入により、現場に変化はありましたか?
(塩釜)はい、現場監督と作業員の間のコミュニケーションが活性化し、その結果、良い行動が増えているという印象があります。
現場監督からは、「作業員とのコミュニケーションにつながった」「一人一人の安全行動に目を向けられるようになった」「細かな場内清掃を進んで実施してくれる作業員が増えた」「安全パトロールの指摘に進んで協力してくれた作業員にポイントを渡すことで、安全パトロールに対して積極的になった」という声が上がっています。
また、作業員からは「現場監督に声を掛けるきっかけになった」という声が非常に多く寄せられており、アザスがコミュニケーションツールとして現場に浸透していることを実感しています。
――外国籍の作業員さんにもアザスは好評だそうですね
(塩釜)そうですね。この現場は、外国人の技能実習生が全体の作業員のうち約2割を占めますが、彼らにとってもアザスのポイントシステムは分かりやすいようで、コミュニケーションをとるきっかけやモチベーションの向上につながっているようです。
アザスを介してベトナム籍の技能実習生とのコミュニケーションも円滑に
また、現場の作業員は国籍だけでなく、作業員の年齢もさまざまですから、大きな年齢差があることで気軽に話しかけづらいという状況が生まれてしまうこともあります。そんな時でも、アザスという共通のツールを使うことで、年齢によるコミュニケーションの壁を取り払うことが出来るのも大きなメリットだと感じています。
施工管理が若い世代に一気に変化
今後のアザス活用
――今後、アザスをどのように活用していきたいと考えていますか
(塩釜)アザス導入開始から約1年経ちましたが、アザスの獲得ポイント上位者の顔ぶれがほとんど変わらないという点が目下の課題です。やはりコミュニケーションが得意な方ほどポイントをもらいやすいという側面があることも否めませんので、コミュニケーションが苦手な作業員さんも表彰できるよう、ポイント付与の仕組みを工夫していきたいと思っています。次のアップデートにも期待しています。
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「アザス」は日揮ホールディングス株式会社の登録商標です。
三井住友建設株式会社
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