CASE STUDY

株式会社夏目組様 「褒めてやらねば、人は動かじ」――左官一筋50年の夏目組が、”感謝が見える現場”に懸ける期待
2026.09.14
「褒めてやらねば、人は動かじ」
愛知県豊川市で50年、左官一筋を貫いてきた株式会社夏目組。大手ゼネコン・大林組の現場を中心に、東海4県で工場やビルの左官工事を手がけています。
そんな夏目組の代表・夏目幸一様が「これからの現場に必要だ」と直感し、自ら大林組に推薦したのが、JGC digitalの現場コミュニケーション活性化アプリ「アザス」です。監督が職人の”良い行動”を見つけたら、ヘルメットのQRコードを読み取って「いいね」とポイントを贈る――シンプルな仕組みが、なぜ業歴50年の左官会社の心を動かしたのか。秋ごろからの現場導入を前に、建設業界のリアルな課題とアザスへの期待を伺いました。
INTERVIEW
一人前まで最低5年。畳職人に次いで
高齢化が進む「左官」という仕事
夏目様: どの業界でも人手不足と言われますが、左官は特に深刻です。建設業の中でも高齢化が一番進んでいる職種のひとつで、畳屋さんの次に職人が少なくなっていると言われています。
これからどんどんベテランが引退していくのに、若手の入職者が少ない。入職しても定着しない。これが一番の悩みです。

夏目様: 左官は、今日明日で技術が身につく仕事ではないんです。いわゆる「職人」仕事なので、壁や天井を塗る仕事を一通り覚えるには、最低でも5年かかると言われています。昔の職人の世界は「背中を見て覚えろ」でしたが、今の時代はその教育方法が合わなくなってきました。別の会社の話ですが、最近入ったばかりの若手に指導をしたところ「怒られた」と言って辞めてしまった、なんて話も聞きました。すぐに辞めてしまっては絶対に身につかず、5年はかかる技術ですから、左官ができる若い人を育てることが難しい仕事です。
夏目様: うちは大林組さんのような大手の工場やビルの仕事を手がける「野丁場左官」ですが、住宅の壁に珪藻土を塗るような「町場の左官」もあれば、工場のコンクリート床を鏡のように仕上げる「土間屋さん」という専門職もあり、それだけ奥が深い職人の世界です。
声かけが減った現場。
コミュニケーション不足は「安全」の問題
夏目様: コミュニケーションが少なくなったなと。昔は現場の喫煙所で、若い監督さんと職人たちが一服しながら自然に話ができていたのですが、今はそういう場も少なくなりました。
夏目様: 一番怖いのは安全です。「おい、ちょっと危ないよ」の一言があれば防げた災害もあったと思います。コミュニケーション不足によって、お互いに声を掛け合うことが出来ない現場は危ない現場だと思います。
「今の子は “いいね” がほしい」
――山本五十六の言葉と重なったアザス
夏目様: 人手不足や仕事の定着の問題を何とかしようと、いろいろ試行錯誤する中で参加したウェビナーで、アザスを知りました。現場でコミュニケーションを取るためのツールとして、これは良いなと。

夏目様: 山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉があるじゃないですか。これからの子たちには、押し付けるよりもこっちのほうがいいだろうと、ずっと思っていたんです。
あと、今の若者はSNS世代だから「いいね」がほしいのかなと(笑)。アザスは「君の行動、いいね!」が目に見えて分かる仕組みになっている。現場ではヘルメットに名前シールを貼っていますが、そこにQRコードがあって、監督さんが読み取るとその人にポイントがつく。これによって監督さんがどれだけ声をかけているかが見える化するんです。
声をかけてもらえること自体、職人にとって嬉しいことですし、現場を円滑に進めるには絶対にコミュニケーションが必要です。ロボットやAIが建物を造っているわけじゃない。人がやっているんですから。監督さんからの声かけと、職人からの「ありがとう」を、両方向で伝えられるツールとしてすごくいいなと思いましたね。
夏目様: これまでの建設現場は、どちらかというとペナルティーのほうが強かったんです。ルールを破ったら罰する。規制がどんどん増えて、それに反発して辞めていく人も多い。そうじゃなくて、ちゃんとやっている人が「ちゃんとやってるね」と認められる。その方向に変わっていくべきだと思います。
また、ウェビナーでは海外プラント現場でも使われて無事故無災害につながったという話を聞きました。今は現場に外国人技能実習生も増えていますから、言葉の壁を越えて「いいね」が伝わる仕組みは非常に現場に有効だと感じました。
「これは現場に必要だ」――安全と品質向上を
目指し自ら施工管理企業へ推薦
大林組さんへご紹介いただいた経緯を教えてください
夏目様: 過去の災害で、誰かが一声かけていれば防げた災害がありました。大林組さんでもコミュニケーション向上の一環で「一声かけ運動」活動をしていますが、アザスならそれが目に見える形になる。たくさん声をかけた監督も、褒められた職人も、ちゃんと数字で分かるようになる。これはいいんじゃないかと思って紹介しました。
アザスが入ったら現場はどう変わると思いますか
夏目様: みんなが今よりも声をかけやすくなると思います。監督さんから声をかけてもらえれば、職人も返事がしやすくなる。体調が悪そうな人がいたら誰かが声をかける。それだけで怪我を防げる。現場の雰囲気が良くなることや、一人ひとりが良い現場にしようと行動することは、安全そして品質の良い建物を造ることに必ず直結します。
夏目様: 現場の安全は、夏目組の努力だけでは絶対に無理なんです。
うちは左官ですが、現場には鳶さんも、大工さんも、鉄筋屋さんも、何十という業種が入っている。その全員が同じ方向を向いて一声かけ合えるようにならないと、安全も品質も工期も守れない。
アザスが、そのきっかけになってくれたらいいなと思っています。
株式会社夏目組(愛知県豊川市)
(会社Webサイト)
創業50年超・左官工事一筋。大林組名古屋支店の協力会社として、愛知・静岡・岐阜・三重の東海4県で工場・ビル等の左官工事を手がける。従業員約30名。昨年度売上高10億円超。