CASE STUDY

ENEOS株式会社 某製油所様「これまでになく活気に満ちた現場になり、期待以上の効果がありました」
2025.04.16
ENEOS株式会社 某製油所様
~これまでになく活気に満ちた現場になり、期待以上の効果がありました~
ENEOS某製油所様では、定期補修工事における安全管理の一環としてアザスをご導入いただきました。アザス導入の経緯や実際の利用の様子、導入によって感じている効果などについてお伺いしました。
導入現場の概要
- ・ 導入時期:2024年
- ・ 現場:ENEOS株式会社 某製油所(他の同社製油所でも導入実績が複数有)
- ・ 工事内容:設備修繕工事
目次
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- 1. 現場で感じていた課題
- 2. アザスを選んだ理由
- 3. アザスの活用方法
- 4. アザス導入の効果
- 5. 今後、アザスをどのように活用していきたいか
現場で感じていた課題
――現場では、どのような課題を感じていらっしゃったのでしょうか。
(梅原)ENEOSグループでは、「安全確保」を行動基準としています。 この「安全」という観点において、某製油所では「誰もけがをしない、させない」を最重要課題として、日々の業務に取り組んでおります。工事現場をパトロールし、「悪い点を指摘して正しいやり方に修正する」、「良い点を見つけたら表彰する」といった取り組みも行っております。しかし、パトロールではどうしても“指摘”にフォーカスがあたってしまいますし、表彰はパトロール時に目にする一部の協力会社の方に限定されます。不公平になっていないか、今の方法が安全な現場を創ることにどれだけ貢献しているのか、もっとよい方法はないのか、と課題感を持っていました。
工務グループ チーフスタッフ
梅原 優志氏
アザスを選んだ理由
――アザスの導入に至った経緯を教えていただけますか。
(大西)「良い行動を評価し、その行動を強化することで安全文化を醸成する」という理念を掲げたアプリケーションがあると耳にしたのがきっかけです。それが“アザス”でした。掲げた行動基準を現場で実現できるように仕組みと機能が整理されたツールで、表彰することで人と人のつながりも可視化できる。 “アザス”を現場に活用することで、今抱いている課題感を解決する糸口になるのではないかと興味を持ちました。 また、“アザス”というユーモアのあるネーミングにも惹かれました(笑)
(梅原)“アザス”は「誰が」「誰に」「何に対して」「どれだけ」表彰したのかが見えます。表彰する人も自由に設定できます。たとえば、“監督”が作業員さんを直接表彰できます。「監督が作業員さんの良い行動を表彰してポイントを付与し、作業者さんは貯めたポイントを景品と交換する。」という仕組みにより、作業者さんのモチベーションが上がり、「また某製油所で工事したいな。」と思っていただけるのであれば、我々としてもとてもありがたいことです。安全文化の醸成に加えて、このような効果も期待して、アザスの導入を決めました。
工務グループ チームリーダー
大西 遊理氏
アザスの活用方法
――現場ではどのようにアザスを活用されていますか。
(梅原)運用にあたり工夫した点は次の3つになります。
1つは、システム上でのポイント付与に加えて、名刺サイズのポイントチケットも導入し、デジタルとアナログのハイブリッドでアザスを運用しました。
現場では複数の施工会社さんに工事をしていただいています。そんな中、PCやスマホの扱いに不慣れな施工会社さんでは、「QRコードを読みこんでポイント付与する」というアクションが負担になってしまうケースも少なくありませんでした。そこで、アザスポイントをチケットの形態でも配布するようにしました。
単純にカードをもらうだけでは作業者さんのモチベーション向上に繋がらないと思ったので、安全担当、副所長、所長など、配布者の職位に応じてカードのポイント数を変えて差別化し、ゲーム性を持たせました。すると、作業者さんたちもレアカードをいかに入手するか、というような感覚で、アザスを自然と受け入れてくださるようになりました。
配布されたチケットの一例
2つ目は、ポイントと景品の交換所をお昼休みに開設し、そこにエネゴリくんグッズやお菓子等の景品を展示し実物を見ながら交換できるようにしました。初めての取り組みだったので、ポイントを何のために貯めるのかよくわからない作業員さんに交換所をアピールし、周知していくことも重要でした。最初のころは、お昼休みに拡声器をもって宣伝しながら休憩所をまわったりもしていました。この交換所も貴重なコミュニケーションの場になりました。
3つめは、「梅雨だよ、雨の日お疲れ様キャンペーン」、「暑さに喝!!熱中症対策キャンペーン」、「ラストスパートキャンペーン」などのイベントを行い、マンネリ化を防ぎながら、作業員さんが自分から頑張ろうと思えるような運営を心がけました。
景品設定やナイスアクションの設定が管理画面から簡単にできるので、キャンペーン等が開催しやすかったです。
――特に便利だと感じたアザスの機能はありましたか。
(梅原)非常に便利だと感じたのは、アザスのダッシュボード機能です。どの作業者さんが何ポイントもらえているか、どの作業者さんがポイントをもらえていないのか、といったことを元請け会社毎に評価することが出来たので、その情報をもとに、「一部の人に偏ることなくアザスを使ってもらい、全体に浸透させていくには何ができるか?」ということを考えて対策を練ることが出来ました。
例えば、先ほどお話した「デジタルでのポイント付与のかわりにアナログでチケットを渡す試み」も、ダッシュボード機能でポイント配布状況を分析した際に、特定の施工会社さんからのポイント付与がほとんど行われていなかったことに気づき、その対策として導入したものです。こうした気づきが得られなければ、ポイントが一部の人にしか行きわたらず、ポイントをもらえていない作業者さんに潜在的な不満が生まれていた可能性もあります。
複数の施工会社さんが入り混じり、多い時で作業者さんの数が約2500人にもなる現場では、同様のポイント管理をアナログで行なうことは不可能です。そうした意味でも、複数社にまたがる全ての作業者さんの状況をデジタルで一元管理できるアザスのダッシュボード機能は本当に重宝しました。また、この機能により景品補充も前広に行うことができました。
我々施主側も施工者さんもアザスに触れるのが初めてだったため、どのようにすればアザスのシステムを理解していただけるのか、効果的に運用できるのか、ということを考えながら、浸透させるのが大変でした。ですが、アザスに搭載されたダッシュボード機能を活かして工夫を重ねることで、結果的に現場にアザスを浸透させることが出来たと感じています。
アザス導入の効果
――アザスの導入により、現場に変化はありましたか?
(梅原)アンケートや景品交換の際のコミュニケーションを通して、作業者さんが評価される嬉しさを感じていることが伝わってきました。景品は、20ポイントでお菓子、250ポイントでエネゴリくん湯呑、2000ポイントでエネゴリくんバスタオルのようにゲーム感覚で楽しんでいただけるように設定していましたが、「バスタオルが欲しいからもうちょっと頑張ってポイントを貯めよう」などと、景品交換をモチベーションにしてくださる作業者さんも多かったですね。
景品交換の様子
(梅原)施主サイドの私自身も、アザスの運用を通して、これまで触れ合う機会の少なかった施工会社さんとお話しする機会が増えたり、景品交換の際のコミュニケーションなどを通して、現場で働いてくださる作業者さんの本音に触れることができたりと、多くの気づきを得ることができました。
(菊池)実は最初にアザスの話を聞いた時は半信半疑でしたが、実際に導入して取り組んでみたところ、これまでになく活気の高い現場になり、導入して良かったと非常に満足しています。
工務副所長
菊池 大介氏
今後のアザス活用
――今後、アザスをどのように活用していきたいと考えていますか
(梅原)今回の現場は4年に1度の定修工事でしたのでアザスの運用は一度終了しますが、製油所がある限り今後も定期的な修繕工事は行われます。そうした中で、現場での安全をサポートするシステムとしてアザスを活用していくことが出来れば心強いですね
(大西)今回は時間の都合で運用できませんでしたが、アザスには経験年数などの情報も加えることができるので、次回はベテランと経験の浅い方の関わりなどを見える化することで、安全な現場づくりに繋げていければと考えています。
景品交換後の一枚
(大西)最近は経験豊富なベテランが減少してきています。経験の浅い作業者さんの比率が増えると、フォローが行き届かず不安全な現場になる可能性が高まります。しかし、次回、そのまた次回と継続して工事いただくことで、安全な現場づくりに繋がり、続いていくものと考えています。これまで某製油所の現場で働いてくださった協力会社さんに、「次の定修も、またここで働きたいな」と思っていただくことは非常に大切だと感じています。そうした意味でも、アザスを現場に導入する意義は大きいと感じています。
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(リンク:建設現場での安全活動まとめ|5S・KY活動など事例も紹介)
(リンク:建設現場の施工管理とは?必要な安全管理についても解説)
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